第11回物流研究会 講演会 平成10年5月22日(木),東京水産大学(担当)にお いて,約25名の参加者を得て開催された.

T.講演
  「温度・湿度変化による段ボールの垂直圧縮強度変化について」  平野 勇(東京商船大学)・山田 猛敏(東京商船大学)

  「振動実験によるパレタイズ貨物の荷崩れに関する考察」       斎藤 勝彦(神戸商船大学)・久保 雅義(神戸商船大学)

  「オフィスビル移転作業計画の立案方法」                藤谷 寛幹(日立物流)

  「ジェットフォイルの整備と保全の現状」                  竹本 静夫(東海大学)

U.総会

 幹事から,前年度の事業報告と会計報告があり,全員一致で了承された.研究会の発展のために積極的にインターネットの利用を検討することになった.


第11回物流研究会 物流研究会講演会

「温度・湿度変化による段ボールの垂直圧縮強度変化について」

 コンテナ輸送貨物の梱包が段ボールである場合,木材やプラスチック等の梱包材料と異なり,段ボール強度が通常の使用応力範囲でも,外気条件によってコンテナ内部の温度・湿度が変化する環境条件と輸送経過時間の長短により段ボールの垂直圧縮強度に変動が生じる.今回は温度・湿度変化と経過時間に対する段ボール(両面段ボール・Bフルート)の垂直圧縮強度劣化を明らかにするために,各種実験を行い,その結果について報告があった.


「振動実験によるパレタイズ貨物の荷崩れに関する考察」

 阪神大震災時におけるパレタイズ貨物の被災を契機に,荷崩れ防止対策について,これまでの実験成果の報告,貨物積み付けパターンの工夫等の報告があった.各パターンの振動実験機による水平振動を加えたときの荷崩れ特性を計測し,新たなシートの四辺に上下に段差を付ける荷崩れ防止シートを考案しその荷崩れ防止効果についての報告があった.


「オフィスビル移転作業計画の立案方法」

 これまで,熟練者による経験と勘によって立案されていたオフィスビル移転作業計画を整理・体系化し,移転作業計画支援システムの開発について報告があった.支援システムの開発により,作業人員の算定,作業所用時間の推定にはIE的アプローチを用いて,料金の算定根拠が明確になり,未熟練者でも従来の1/3の時間で立案可能となったという報告があった.


「ジェットフォイルの整備と保全の現状」

 ジェットフォイルは,船舶安全法からは特殊船(全没型高速水中翼船)に分類され,船舶検査もJG検査になる.このような特殊な高速船のメンテナンスの方法についてロジスティックスの視点から現状を詳しく調査された結果について,多くの資料に基づいて報告があった


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