第5回 平成7年5月25日(木) 東京商船大学 30名程度

  「ロジスティックスにおける倉庫・船」        鶴田三郎(東京商船大学)

  「規制緩和と石油物流」               山内悟(海技大学校)

  「物流における危機管理」              三木楯彦(神戸商船大学)

  「明石大橋の開通と物流」              岡山正人(広島商船高等専門学校)・小谷通泰(神戸商船大学)・中下光治(神戸商船大学大学院)


第5回
「ロジスティックスにおける倉庫・船」

 現在の多品種小量品を対象とするロジスティックスにおける船および倉庫に求められる新たな機能・役割について報告された。歴史的に見れば大量生産・大量輸送の中で船や倉庫は機械化・自動化と進んできたが、現在のような多品種小量の場合は、そのような部分最適を図っても、それが全体最適に繋がらないので、ロジスティックスフローの高速化を図る中で、船や倉庫を検討する必要があることが報告された。そのためには、ARシミュレータの利用やCALSの研究・利用は重要であることが述べられた。


「規制緩和と石油物流」

 来春に石油製品輸入を事実上、元売り会社に限っていた特定石油製品輸入暫定措置法が廃止される。この影響がどのようなものとなるかをまず詳細に報告された。次いで、これらの変化が物流に対してどのような影響を及ぼすと考えられるかについて報告された。


「物流における危機管理」

 1月17日に発生した阪神淡路大震災に関連して物流業における危機管理について報告された。
 まず震災の被害状況を説明され、物流面から見ると神戸港の被害が甚大であったが、その復興は一本化された予算の執行によることが望まれると報告された。次いで、倉庫内の被害も大きく、危機管理の観点から見れば、リスク分散をしておくべきであることが述べられた。
 最後に、企業防衛という観点から計画制定が必要であると結ばれた。


「明石大橋の開通と物流」

 1988年に予定されている明石大橋の開通が、阪神・四国間のトラック輸送に及ぼす影響について、アンケート調査の結果をもとに報告された。
 まず、因子分析によれば明石大橋の利用は事業所に大きな影響を及ぼすと見られており、ビジネスチャンスの拡大に繋がると見られていることが報告された。また、橋の利用意向は地域によって格差があるものの、所要時間が短縮されることが大きなメリットであると見られていることが報告された。


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